10.冷やす・締めつける
痛い人の習慣
10.冷やす・締めつける
夏のオシャレも要注意! 血流不足は万病の元
突然ですが、人間の臓器で最大の器官は何だと思いますか? 肝臓や脳の重量は体重の約2%あり、最大と言われています。実は更に大きな臓器があります。
血管です。
一般的に体重の3%といわれ、長さは地球2週半にも及びます。血管は全身をくまなく巡り、血液を使って酸素や栄養を届け、老廃物を運びます。脳に栄養を届けるのも、筋肉にエネルギーを届けるのも血液です。使い終わった老廃物を回収するのも血流なのです。
さらには、水分や体温を調節し、止血の役割や感染から身を守る役割も持っているとても重要な臓器なのです。
◎冷えと、締め付けが血流不足を招く
血流がとどこおるということは、循環、免疫、排泄、筋肉の運動など、さまざまな機能が低下します。「冷え」は、その血流の停滞を招きます。だからこそ、「冷え」は万病の元と言われるのです。実は「ほてり」も「陰極まれば陽となる」という言葉通り、冷えが原因ということも多いです。
特に、お腹、足首は冷やしてはいけません。便秘、頭痛、腰痛、肩こり、ひざ痛など、さまざまな不調の原因になります。
冷える食べ物の簡単な見分け方をお教えします。
【白い食べ物】は体を冷やす
と覚えておいて下さい。
砂糖、ヨーグルト、アイスクリームなどなど。お米なども、なるべく白米より玄米の方がオススメです。完全に玄米でなくても、七部突きにしたり、白米にゴマや雑穀を混ぜるところから始めてみましょう。砂糖も同様に、精製された真白な物を避け、黒糖などの色のついた物を選ぶようにしましょう。
また、コーヒーやフルーツ、南国が産地の食べ物・飲み物も、体を冷やします。
ちなみに砂糖も体を冷やす効果があります。「冷え」というと、寒い冬を想い浮かべる方も多いかと思いますが、今は夏もクーラーが効き過ぎていたりして冷えやすい上に、アイスクリームやスポーツドリンク、ジュースなどの糖分に加え、夏野菜、フルーツなど、カラダを冷やす働きがあるものを取る機会が増えます。
昔はクーラーがなかったため、自然にカラダを冷やす働きの物を食べて、カラダから暑さをにがしていたのですが、いまはどこも空調が効いているので、過剰に冷え過ぎてしまいます。
夏場に足がダルくなる方が多いのは、クーラーや食べ物による血流の低下で、血液を心臓から遠い足から送り返せなくなり、停滞してしまっている症状です。冬はもちろんですが、夏こそ冷えに要注意です。はらまき、湯たんぽ、入浴は夏でも効果的です。
◎締めつけない
「冷え」と同様に、血液を停滞させるもう一つの要因が、「締め付け」です。数多くの方を施術させていただく中で、考えさせられることがあります。
それは現代のファッションについてです。テレビや雑誌で、可愛いモデルの女性がたくさん登場しています。少しでも美しくなりたいという女性の欲求を刺激し続けています。
ジーンズや補正下着、パンスト、ガーターベルトなど、不調を抱える多くが、こういった着衣を身につけています。男性でも、スーツやネクタイなどでかなり締めつけられています。
とにかく、現代の服装というのは、今まで人類の歴史の中でも締め付ける物が圧倒的に多く、度合いもかなりキツいと考えて間違いありません。
例えば、パンツや靴下ひとつとっても、必ずゴムが入っています。そしてボクサーパンツのような物は、全体が伸縮するため圧迫をしています。
ましてや、先ほど挙げたような物は、もっと圧迫しています。ソケイ部や腋下が圧迫されると、リンパの流れが悪くなったり、カラダ全体が弱い力で長い時間圧迫されることで筋肉の緊張が生まれたり、内蔵の働きが悪くなったりもします。
便秘、生理痛、腰痛、肩こり、冷えなど、数多くの不調の原因になっています。
最初は締め付けがないと不安な感じがするかもしれません。
しかし、人間が動物である以上、締め付けがある方が不自然なのです。
「冷え」と「締め付け」
この2つの原因が、最大級の臓器である「血管」を圧迫し血流を低下させ、人間にとって重要な機能を低下させてしまうのです。
◎「血管」は最大級の臓器であり、重要な役割を担う臓器です。
◎血流の停滞が痛みや症状を招きます。
◎夏場こそ冷えに注意しましょう。
◎白い食べ物や南国の食べ物はカラダを冷やす。
白米でも、ゴマや雑穀をまぜればOK。
精製された砂糖を使うのは避けましょう。
◎締め付けが血流を妨げます。