2. 押す、揉む、叩く
痛い人の習慣
2. 押す、揉む、叩く
むやみな強揉みが筋肉を緊張させる
・マッサージ機がやめられない……。
・家族に揉んでもらっている、踏んでもらっている……。
・肩が鉄板みたい……。
・腰がカチカチに固まって。
こういう方多いです。むやみに強く揉んだり、押したり、叩いたりして、筋肉をほぐそうとするのには、とても大きな誤解があります。
症状や方法によっては、痛みが取れる場合もありますが、実は間違っていることも非常に多いです。家族に自己流マッサージをしてもらったり、マッサージ機に乗るのは、すぐにやめて下さい。その場はよくても実は痛めていることがあります。
まず、揉む、押す、叩く、とはどういうことか説明します。
犬や猫などの動物を思い浮かべて下さい。強く揉んだり、叩いたりしたらどうなるか? ガルルと怒ったり、体を硬直させたり、逃げたりします。それをくり返していると、近づくだけで警戒されてしまいます。
つまり、緊張した状態(=力んだ状態、硬直した状態)が習慣化してしましいます。反対に、優しく擦ったり、撫でてあげると、ゴロニャンとなります。それが動物としての本能です。
人間も動物です。強く揉んだり、叩いたりしたら筋繊維が傷つき、慢性化する要因となり、回復も遅くなります。
さらに、押したり揉んだり叩いたりしては行けない理由を挙げました。
◎ 筋肉の緊張が増す
なぜほぐしているのに緊張が増すの? と疑問に思うかもしれません。実際、強揉みのマッサージがやめられない方を施術すると、ガチガチに緊張しているのがわかります。
凝った筋肉というのは、筋肉の緊張により充血していたり、血流が悪くなっている状態です。それを、無理矢理押したり揉んだり叩いたりすると、内出血を起します。この内出血が痛みや腫れ、発熱などを引き起こすのです。これがいわゆる「揉み返し」です。
回復力のある元気な人は、傷ついた筋肉を回復させるために体が工事を開始します。人間の体は破壊された部分を作りなおすときに、以前よりも固い状態で再生しようとします。これを超回復と言います。
なぜ固くして直すのか? それは「再び壊されないために」です。
固く再生された筋肉を、揉んで叩いて破壊して、さらに固い状態で再生。それを繰り返すうちに、ガチガチの筋肉が仕上がってしまします。
「ドンドン強い刺激が欲しくなる」
「もっと強く叩いて欲しくなる」
身に覚えがありませんか?
体にエネルギーがあるうちはまだ回復するので、まだ大丈夫ですが、筋肉が復活するためのエネルギーが底をついてしまうと、一方的に筋肉の破壊ばかりがされてしまいます。
再生が追い付かず、筋肉がぶよぶよのまま、内出血や微細な筋肉の断裂が起こってしまい、体にとってのダメージばかりが蓄積されていきます。
こうなると、触った感じは凝っていないのに、ダルいとか思いという症状になってしまうのです。
強く押せば押すほど、固くなります。
固くもないのに症状があれば、赤信号です。
◎ 交感神経が高まることで、自律神経が乱れる
あなたは揉んだり、叩いたりが好きだとしても、体は「破壊」されていると受け取っています。人体の生命中枢である自律神経にとっては「攻撃」されたことと同じなのです。事実、筋肉は破壊されているのですから。
強い刺激を受けると、自律神経のうち、緊張型・攻撃型の神経である「交感神経」が高まってしまいます。交感神経が高まると筋肉の緊張、血流の停滞、胃腸の活動低下などを招き、以下の症状を引き起こしてしまいます。
頭痛、不眠、めまい、耳鳴り、食欲不審、肩こり、腰痛、顎関節の不調、喉の異物感、生理痛、便秘、呼吸がしづらい
単なる肩こりだったのが、強い刺激を受け過ぎて自律神経のバランスが乱れてしまった結果がこれらの症状なのです。揉んでもらうと、その場は気持ち良いと思うかもしれませんが、実際は「無意識(自律神経)は大混乱、肉体は疲労」しているのです。
◎ 肩こりの原因は「肩」ではない
そもそも、肩こりだからといって、肩に問題があるとは限りません。必ずしも痛い場所に問題があるとは限らないのです。
人間は歩くだけでも、200以上の筋肉を連動させています。痛みや不調もさまざまな要因が連動して起こるのです。
家のドアが開かなくなって困った人がいました。
大工さんに相談すると、「これくらいなら、叩けば直るよ」
しかしすぐにダメになりました。
二人目にきくと「蝶番が悪いな」
しかし3日もすればギシギシいいはじめました。
また別の大工さんのところに行くと、「引っ掛かりを削ればいいのさ」
しかしまたすぐにギシギシいいはじめます。
今度は柱ごと替えてみましたが、それでもまたすぐにギシギシ。
最後に一番腕の良い大工さんに聞きにいくと 「いやいやこりゃ家の土台から傾いてるよ」
「道理でドアだけでなく襖や窓も調子が悪かったわけだ」
すべての悩みが、土台を改善することで、なくなってしまいました。
この話を、肩こりや痛みに当てはめてみて下さい。肩の筋肉が凝る原因が、骨盤の歪みにあったり、骨盤の歪みの原因が指の疲労にあったり、腰痛の原因が、足首にあったり。
肩こりや、痛みの原因はなにか? その原因の原因は? こうやって辿っていくと、足首の歪みが肩こりに影響していることだってあるわけです。むしろ肩こりの原因が肩にあることの方が少ないと言っても過言ではありません。
z是非、今、通っている先生に聞いてみて下さい。
「私の肩こりの原因はなんですか?」
返ってきた質問にさらに聞いてみて下さい。
「その原因はなんですか?」
単に時間制で揉んで欲しいところを揉むだけではなく、立ち方、歩き方、座り方を始め、生活の指導などをしっかりと教えてくれる先生こそ、本当のあなたの痛みと向き合ってくれている先生かもしれません。
土台の土台からしっかり治す。
これが肩こりは叩かない方がよい理由です。
当院には近隣の東海市・阿久比町・半田市・東浦町・常滑市・大府市など知多地域を中心に下記の地域からたくさんの方がおみえです。
名古屋市南区・西区・天白区・緑区・港区・熱田区・守山区・昭和区・春日井市・武豊町・豊田市・南知多町・美浜町・刈谷市・碧南市・高浜市・知立市・豊明市